グループホームに濁流が襲ったことについて

あらかじめ、この件に関しては一切の批判・ご意見あると思います。自由に闊達に意見を交わしていただけたら幸いです。また、亡くなられた9名の方のご冥福を謹んでお祈り申し上げます。

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 これは大変難しい判断だと思います。ニュースなどで報道している情報しか私は知りませんが、岩泉町長が16時に当グループホームを心配して見に行っていたそうです。そこで、近くの小本川の潮位を実際に確認して、「大丈夫」と思ったそうです。その時点では避難勧告レベルである2.5mにも達していなかったため、避難勧告も出せなかったと町の担当者は語っていました。しかし、約1時間で同地域観測史上最大の雨量を観測し、小本川の潮位は6.8mまで上昇。堤防が決壊。濁流がグループホームを襲ったという次第だと報道では言っていました。

 近年、観測データを次々塗り替える大雨、短時間豪雨。勿論、台風ということで備えはしてあったのでしょう。しかし、想定以上の災害が起こってしまったのではないでしょうか。「台風のことは、台風に聞け」ということわざがあるぐらいなのですから、台風の進路や降水量などを予報するのは、気象予報士でも難しい仕事と聞いたことがあります。すなわち、予見は困難であった、と言わざるを得ないと思います。

 

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 当時夜勤帯に入り、夜勤者は1人だったそうです。この配置基準は妥当であり、これが介護の現状と思ってくだされば幸いです。夜勤者は懸命に入所者をベットや高いところに誘導したそうです。また、隣の老人ホームからも助けにいこうとしたときには濁流の中にあっていけなかったと証言しています。

 認知症を患っている方の中には身体の不自由な方も多数おられたと思います。また、拒絶反応が強い方も中にはいたかもしれません。それで濁流が襲ったらひとたまりもないでしょう。なすすべもなかったと思います。夜勤者だけでも生きててよかった、と私は思いました。

 

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 避難計画がなかったとか、マニュアルがなかったとかご指摘の通りかと思います。運営法人にはこの痛い教訓をぜひ活かして今後の運営にあたってもらいたいと思います。ただ、私が言いたいのは「現場の人間がいざという時できることは限定的である」ということです。例の相模原市施設殺傷事件からもわかるように特に人の少ない夜勤帯に何か起きたらどうしようもないことが多いのです(あれはちょっと特殊かもしれませんが)。それでも、このグループホームの職員は懸命に救出しようとしていました。職員を責めるのはどうかやめてください。以上です。

 

*1:この状況になるのを予見できたか

*2:グループホームの職員は何をしてたか

*3:まとめ