シン・エヴァンゲリオンの分析

「この記事はネタバレを含みます。見たくない方はスキップをお願い致します」

 

 

昨日で書ききれなかったので、私なりの解釈を続けさせてください。

 

カニバリズムの禁忌

 カニバリズムとは?

 ”キリスト教の倫理観から外れた蛮族による食人の風習。正しくはギリシア語のアントロポファギアに由来するアントロポファジーが忠実。

 死者への愛着から魂を受け継ぐという儀式的意味合いがある。すなわち、親族や知人たちが死者を食べることにより、魂や肉体を分割して受け継ぐことができるとされるが、プリオン病(脳がスポンジ状になり、死に到る)を引き起こすことが医学的に判明している。

 胎盤は健康や美容のために食されたり、医薬品としても加工されることもある。最近の研究で栄養価として、人肉は優れたものではないとも証明されている。

 聖書ではレビ記旧約聖書)で、「神に逆らい続けるなら処罪として、病や敵からの敗北、不作や野獣による荒廃の後、ついには自分の息子や娘の肉を食べることとなる」と厳重に警告されている。また、ヨハネによる福音書第6章53節と54節にも似たような記述がある。”(以下、Wikipediaより)

 

劇中でマリがエヴァ量産機を、食べ、戦闘によって失った左手を回復するシーンがあるが、これは裏世界(黒き月)では回復の手段とされる。マリは恐らく書物からそれを学んでいた可能性が高い。すなわち、禁忌が良しとされる世界である。

 

要はDNA解析によって作られたクローン→死者の再生と考えられる。但し、個体はあくまでユイのクローンであり、魂が適合しないため、自我の目覚めで溶解してしまう。レイのそっくりさんが溶解してしまって、シンジが覚醒したのはそっくりさんがレイの魂を拒絶したからと推測する。

 

・13番目の使徒エヴァ13号機)

 言わずとも13番は裏切りのユダの番号とされる。但し、ユダの番号は12番であって彼が裏切りの末死んだために、マティアが新しい12番目の使徒になった(正史)が、一説にはユダは13番にカウントされることもある。

 キリストを持って、「生まれなかった方が、その者のためには良かった」とまでキリストに言われている。ユダの最後は首吊り自殺である。

 ゲンドウはすでに人に非ざる者に成り下がっており、本人は自身を神という。実際、リツコに頭を撃たれても死なずに回復する。ゲンドウはユイの死を受け入れることができずに、禁忌を繰り返すことでユイを復活させようとしているのが、ネルフの目的。

 

使徒

 「知恵の実」と「生命の実=S²機関」。人類と使徒との戦いは「知恵の実」を持つ者(人類)と「生命の実」を持つ者(使徒)との生き残りをかけた戦い。「生命の実」というのは不老不死の肉体、魂のことで、人間の理=寿命、死から逸脱している。生命の実を手にできるのは恐らく他界し、天国や地獄と言われる世界に行って初めて手ににできるもの。ここで、キーを握るのはカヲルである。カヲルは人になりたかった使徒である。なので、シンジがいなければ永遠にループする輪廻におり、シンジの理解により、ようやくカヲルは輪廻から解放され、人としての人生を送ることができるようになった。

 

エヴァは母親からDNA解析によって作られたもの、その研究をしていたのが冬月であり、ゲンドウとユイはそのゼミ生だった。クローンの研究と考えられる。

なので、零号機はアダムから作られたプロトタイプ、初号機はユイ、弐号機はアスカ母、伍号機はトウジ母のプロトタイプ。言わずもがな、エヴァは母親から作られたもの。なので、エントリープラグ(母の胎内)に入ることができるのは、その子どもだけ。すなわち、箱根第3中学校に集められた他生徒も母親を喪失した子どもが集められている。これはゲンドウの指示によるもの。エヴァの個体を増やし、使徒と対決するため。恐らく、ケンスケや委員長にも母はいない。

 

・ATフィールドは「心のドア」、魂を消費する。心のドアを他人が無理やり開けようとすると心は壊れる。精神病の隠喩とも捉えることができる。

 

エヴァは母親からDNA解析で、作られたもの。「生命の実」であった。零号機は最初の人=アダムから作られており、その暴走の結果失敗し、ユイは命を落とすことになる。人が人を作ってはいけないという禁忌に触れたからであると推測できる。これが恐らくファーストインパクト。そこから、ゲンドウがユイの死を受け入れられずに作られたのがネルフであり、それを利用したのが死海文書を信じるゼーレである。エヴァ=イブとも考えることができる。

 

セカンドインパクトとは、人間の進化論を推奨する葛城博士(ミサトの父)と冬月の研究(人間のクローンを作る研究)の実験の最中に引き起こされた偶発的な世界の終末。これにより、世界の人口の半分が消滅した。

 

・同性愛、特に性行為について

シンジとカヲルの関係である。アスカとマリもそれにあたる。初期の段階でカヲルがシンジにキスをするシーンがあるが、それは恐らく隠喩である。同性愛自体が悪という訳ではなく、トランスジェンダーは実際に存在する。但し、キリスト教の教えからは禁忌とされており、神の怒りを買うとされている。これは宗教観の違いなので、多種多様な現代社会において、ここはあまり語りたくない部分なので、割愛する。一つだけ言わせてもらうのであれば、進化の過程において同性愛は重要であるということ。但し、誤った性行為をしてしまうとエイズウイルスに感染してしまう恐れがあるということは補足しておく。

 

・不倫について

ゲンドウと赤城母(マギシステム構築者)、リツコがこれにあたる。リツコ自身もゲンドウと関係を持ったという設定もあり、父親と関係を持ったことを後悔し、Air/まごころを君にでは頭を撃たれる。ゲンドウは人類補完計画=統べての遺伝子を同じにするために、あえてリツコと関係を持ったと推察できる。赤城母はユイの喪失から立ち直れないゲンドウを哀れに思っていた所もあり、厳密には不倫ではないのかもしれないが、ゲンドウの心はユイにあり、ユイを復活されるための儀式、手段として関係をもったと推測すると、心の不倫とも言えなくはない。これも禁忌だが、黒き月の世界では正しいとされる。種の保存から考えると、一夫多妻制の生物は絶滅する可能性が高いことが、最近の研究で証明され、一妻一夫制の生物が生き残る可能性が高いとされる。アダムとイブが楽園から追放されたのは「知恵の実=リンゴ」を食べたこともあり、その神話も物語に大きく影響している。

 

これらは、あくまで私の推測であり、異論はあると思います。私はシン・エヴァンゲリオンを観てこう感じたというものであり、主観なので、他解釈をして不快に思われたらすいません。

 

以上です。ありがとうございました。