シン・エヴァンゲリオンと私
「ネタバレ含みます。読みたくない方はスキップをお願いします」
シン・エヴァンゲリオンを観てきました。劇中で3回泣きました。
自分の魂が解放された感さえあります。これも含めて人類補完計画だとしたら、庵野監督お見事としか、言いようがない。劇中で全員が救われるとは…。凄まじいシナリオと伏線の回収。間違いなく、今年観てきた映画で一番いい。
私とエヴァの出会いは、大学生で深夜アニメ一気放送しているのを観てドはまりしました。
最初は綾波レイがめっちゃタイプで、一目ぼれに近いものがありました。
そんな不純なきっかけでした。この子可愛い、から始まってますから。
そのうちシンジに自分を重ね合わせるようになり、複雑怪奇なストーリー展開と主題歌の良さに夢中になりました。魂のルフランと残酷な天使のテーゼですね。世代ということもあり、友達にも好きな奴が多くて、あーでもない、こーでもないと議論した覚えがあります。
トウジが死んだと思った時は泣きましたし、自分が殺したんだ…とシンジの気持ちが流れ込んでくるものがありました。
なんと劇中ではトウジは生きていて、大人になり医者になっている。妹は医療班少佐…。
マヤも好きでした。それが、情報解析の責任者にまでなっているとは…。
正直、まごころを君に、序の終わり方は納得のいくものではありませんでした。アスカとシンジだけ生き残ってアダムとイブになる…だけど、アスカは気持ち悪いという。
この話は私が思うに、モラトリアムと近未来技術と、父親の壁と特に母親の喪失をどう乗り越えていくかという話なんでしょうね。それに聖書の情報をうまく乗せているものだから、話として面白いし、説得力がある。3すくみの関係(マギシステム=女、母、妻*所説あります)とか心理学的な要素をうまく盛り込みながらだから、尚更。そこに友情と裏切り、信頼とそれぞれの役割。絶望と希望、生と死、魂の輪廻という両側面の展開を見せていくもの、夢中になる要素だらけです。
ゲンドウとシンジがやりあうシーンは暴力的でしたが、暴力では何も解決しない、絆は破るものではなく、繋ぐもの(カセットテープを渡すシーンがそうなのでしょうね。あれは元々ゲンドウのでしたから)。だから、シンジは返したんでしょう。
レイはきっとシンジの妹的な存在だったんでしょうね。私も自分の子ができる時、男の子の名前と女の子の名前両方考えましたもの。レイはお兄ちゃんを守り続けた格好になり、最後はシンジがレイを守る。
アスカはおそらく初恋の相手、お互いに。だけど、思春期のすれ違いで、お互いにうまくはまらない。そして、失恋。それも二人は受け入れて、「あの時は好きだった。だから迎えにきた」というシンジの覚悟、責任、自分の気持ちにケリをつけるというのはそういうことだと思います。そして、別々の道を歩く。
カヲルは親友であり、一番の理解者。そして、妹の恋人。使徒でもあり、人でもあった。私は恐らく今の自分はカヲルになりたかったんだと思います。導く人、渚司令カッコよすぎます。
マリはアスカの親友でもあり、冬月教授の教え子。ここで、物語は動きはじめたんでしょうね。
カップルとしてにシンジとマリ、アスカとケンスケ、トウジと委員長、梶とミサトそして、希望の槍の名前がガイウス。
ロンギヌスの槍はDNA配列なんでしょう。同じDNAを配合すると、障害を持ちやすいという禁忌をゲンドウはやろうとしたんですね。要は近親相姦です。それで、人類を補完しようとした。全人類を同じDNAにしようとした。だから、繰り返されるインパクト。ここまでが恐らくゼーレのシナリオです。
最終的にマリで良かったと思います。それが納得できない方も多いでしょうが、父親と母親(ユイ)の知り合いであり、許嫁という立場だとしたら、理解できます。物語の途中から、でてきたのも可能性の進化という意味で納得です。
ともあれ、全員が幸せになってよかったと思います。完璧なシナリオと最後のシーンの美しさと庵野監督の絵コンテ…、色鉛筆画。そして宇多田ヒカルのbeautiful world(希望の歌)とONE LAST KISS(おそらくレクリエム)。
非常に完成度の高い映画でした。エヴァンゲリオンに関わった全ての人に感謝。